自分の子供がグレーゾーンだと診断された時、親としてどういった対応すればいいのか不安になりますよね。
それは『知らない』ことが原因なんです。
発達障害でもない、グレーゾーンと診断された悩むお母さんのために、親の取るべき対処法についてまとめてみました。
ママさんエスコーター
グレーゾーンの子の悩み
幼少期の進路選択として大きなものが、小学校入学でしょう。
「診断を受けていないから、通常学級に進むものなの?」
と考える親御さんもいますが、実はグレーゾーンの子も、発達障害の診断を受けている子と同様に、合理的配慮を受けられます。
進学先の決定について
通常学級、通級指導教室、特別支援学級、特別支援学校…。
親は、たくさんの選択を迫られます。
知能検査や就学前健診、教育相談などを経て、進路を決めていきます。
原則として、『子どもとその保護者の意向は尊重されます』が、最終的には地域の教育委員会が進学先を決定します。
幼稚園などで、集団の知能検査が行われることがありますが、やはり個別で検査を受けた方が詳しい数値がわかりますし、教育委員会との話し合いがスムーズにすすみます。
教育相談の時期になってから、個別の知能検査を考えて予約しようとしても、なかなかすぐには取れません。それにより、進路について考えたり、進路の決定が遅れることがあります。
焦りは禁物とはいえ、年長の春ごろから、親は進路について動き出す方が精神的な余裕がうまれます。
入学してからの配慮に対して
グレーゾーンの子は、通常学級に入ることも少なくないです。発達障害の診断はありませんが、得意・不得意のある状態です。
タブレット、文字を拡大した教科書、ノイズキャンセリングヘッドホン(イヤーマフ)などの使用や、その子にあった宿題や課題を出す、などの合理的配慮が必要になります。
しかし、一見『普通』に見えるグレーゾーンの子への配慮は、
- わがまま
- 甘やかしている
- 努力が足りない
などと、批判されることも少なくありません。先生だけでなく、周りの保護者への理解を求めることが必要とされます。
ママさんエスコーター
グレーゾーンの親が取るべき対処法
グレーゾーンの子の親は、発達障害や特性のある子への情報を受け取りにくい環境にあるとも言えます。
なぜなら、グレーゾーンの子は、通常の幼稚園・保育園、または通常学級に通っていることが多く、療育園や特別支援学校や特別支援級に在籍している場合に比べて、専門の先生や発達障害の子を持つお母さん達と接する機会が少ないからです。そうなると、得られる情報量がどうしても少ないからです。
発達障害の支援に関する最新の状況だけでなく、毎日の送り迎えで出会うお母さんとの雑談で知ることも意外に有益です。支援に関しては、地域による違いが大きいので、先生やママ友など、地域に根差した人達からの情報をキャッチできるかできないかは、大きな差になってきます。
グレーゾーンの子を育てていて、周りに専門家が少ない、同じ境遇のママ友がいない場合は、自分から情報を集めていく姿勢を持ち続けることが大切です。
ママさんエスコーター
親は、何かしらの困りごとがあったり、周りからの指摘があって、子どもの発達検査を受けています。グレーゾーンと言われたからといって、「発達障害ではないから、何もしなくていい」と判断することは少ないでしょう。
ママさんエスコーター
困りごとの解消に取り組む
発達障害の診断はなくても、もちろん困りごとへの対処はしていかなければいけません。
グレーゾーンの子は、症状の出方が、体調・環境・場面に影響を受けるという特徴がある一方で、逆にそれらを調整することができれば、本人や周りの困り感を減らし、通常の生活ができます。
また、できることが多いので、その部分を伸ばしながら、苦手をフォローしていく方法、生活していく方法を身につけていくことが必要です。
グレーゾーンの子は、体調・環境・場面を調節しながら、トレーニングを進めていけば、症状が改善されやすいともいわれています。
診断がなくても、利用できるサービスはある
前述したとおり、診断書や障害者手帳のないグレーゾーンの子は、必要なサービス、サポートを得られないことがありますが、全く何もない、ということはありません。
児童発達支援や放課後デイサービスなら、受給者証があれば利用できますので、ぜひお住いの自治体へ問い合わせてみて下さい。
参考 児童発達支援参考 参考 放課後デイサービス参考また、公的なサービス、民間のトレーニングに加えて、家庭で親が関わる家庭療育という方法もあります。
療育やトレーニングにより、適切な行動や社会的スキルを身につけさせてあげましょう。
二次障害を防止する
グレーゾーンの子は、発達障害の診断はありませんが、やはり生活に困難を抱えている状態です。
診断の有無や、診断名にこだわるのではなく、その子がその子らしくある方法、困り感を解消できる方法を模索していかなければいけません。
発達障害の子でも、グレーゾーンの子でも、
- 厳しくする
- 何度も指導する
- 叱る
子どもを想うがあまり、こうした対応をしてしまう親は少なくありません。
けれど、子どもの自信はなくなり、自尊心が傷ついてしまいます。
そして、二次障害(不登校、引きこもり、家庭内暴力など)を引き起こす可能性が高まりますので、対応には十分に注意する必要があります。
具体的に親ができること
グレーゾーンと言われた親が、すぐに取り組めることは、『子どもの得意・不得意を認識すること』です。
まずは、
- 得意なこと
- 苦手なこと
を紙に書き出してみましょう。
そうすることで、客観的に子どもを見つめることができます。
子どもの行動の特徴がわかれば、親が家庭でできる工夫もわかってきます。
幼少期の子どもの場合、親が子どもの得意・不得意を認識し、それを周りの人に伝えることが大切です。
発達障害と診断されている子だけでなく、グレーゾーンの子の子育てもたくさんの支援をうけながら進めていく必要があります。
ママさんエスコーター
子どもが発達障害かもしれない。相談先はどこ?療育より家庭での取り組みが大切な理由。
子どものこと、診断が出ていないから…、と1人でがんばらず、たくさんの人に協力を求めることが大切です。くれぐれも、母親が1人で抱え込まないようにしましょう。
ママさんエスコーター
まとめ
発達障害のグレーゾーンとは、発達検査で診断基準を満たしていないが、発達の凸凹、特性がある状態をいいます。症状の出方が、体調・環境・場面に影響を受けるという特徴があるので、『普通』に見られることもあります。
年齢が上がり、再度検査を受けて発達障害と診断される人もいれば、診断を受けないまま成人を迎える人もいます。
グレーゾーンの子は、発達障害の診断は受けていませんが、発達障害の子と同様に、配慮やスキルトレーニングは必要で、就学先を選ぶのにも慎重にならなければいけません。
「普通」に見えるから、配慮されない、という事態は絶対に避けなければいけません。
子どもの自尊心が傷つき、自己肯定感が低くなると、二次障害を生じさせる可能性が高くなります。
発達障害と診断されていないからといって、親がひとりでがんばるのではなく、外部に相談し、協力を得るということが大切です。
グレーゾーンの子はトレーニングや環境によって、症状が改善される可能性が高いとされています。受けられる支援を活用し、家庭でできる取り組みも進めていきましょう。
ママさんエスコーター