あなたの子どもは、何でもたくさん食べますか?
食事に関して、こんな困りごとないですか?
- 好きなものばかりを食べさせると健康面が心配
- 嫌がっても無理やり食べさせる方がいいのか?
- 時間が経てばよくなると言われ、しばらく様子を見てきたが、一向に良くなる様子がなく、むしろ状態が悪化してしまった
- さまざまな工夫を実施してみても効果が見られず、無力感がある
- ただでさえ忙しいところに子どもが食べてくれるよう工夫するのが、時間的に難しい
- 保育園や小学校に理解してもらえず個別の対応をしてくれない
成長して食べられる時期を「待つ」ことも大切です。
けれど今、少しでも・多く食べて欲しいと思うのが親ですよね。
そのときにどんな方法があるのか?
一部になりますが、ぜひ知って下さい!
ママさんエスコーター
偏食は「好き嫌い」とは違うことを知る
偏食は、好き嫌いとは違います。
偏食の特徴をあげます。
- 嫌いなものを食べない、ではなく、それしか食べられない
- 自然に改善されることが難しい
- 健康への悪影響を及ぼす可能性がある
あなたも
「子どもの頃は食べられなかったが、今は食べられる」
といった経験があると思いますが、一般的な好き嫌いは、経年により解消されることが多いです。
けれど、偏食はその原因を解消しなければ、改善することがあまりありません。
逆に、嫌な思いを経験することでますます拒絶反応が強くなります。
また、ポテトチップスや油っぽい物ばかり食べれば、肥満になります。
特定のものしか食べられない状態が続くと、何らかの疾病状態に陥るリスクが高いです。
食べられない(偏食の)理由
食べられない(偏食の)理由を、大きく4つに分けてみると、以下のようになります。
1)上手に食べることが難しい(口腔機能)
噛んだり、飲み込んだりする口腔機能に問題がある。
(医療機関などとの連携が必要となってきます。)
2)感覚の過敏、鈍麻(感覚)
濡れたもの(汁物など)がイヤ、
カリカリした食感のもの(フライものなど)しか食べない
3)発達のバラつき(特性)
指示が通らない、集中して座っていられないので、食事が進みません。
同じ食材であっても形が変わると別物と認識してしまって食べない、といった場合があります。
4)お腹がいっぱい(栄養状態)
発達凸凹の子は、必要エネルギーが少ない傾向にあります。
ちょっとしたおやつやジュースなどの摂取により、食事の時間に何も食べられないということがあります。
ママさんエスコーター
今すぐできる対応方法
以下のような方法は、もうしているのではないでしょうか?
苦手な味を、濃い味付けの料理に入れてわからなくする
ピーマン、にんじんなどの苦手な野菜を小さく刻んで、ハンバーグやカレー、チャーハンに混ぜる。
ミキサーにかけて、ホットケーキミックスに混ぜて、ホットケーキを焼くといった方法も、苦手な味に気づきにくいようです。
切り方・味付けなどの調理法を変える
ピーマンは縦向きに切る、高温短時間加熱で、苦みが抑えられます。
乳製品と合わせる、好きなドレッシングをかけるのも有効です。
子どもの食事の様子に合わせる
・たくさんは、食べられない
→量を少なくする
・うるさくて食べられない
→テレビなどを消す、イヤーマフをする
・気が散って食べられない
→見えるものを布で隠す
・食事の時間の長さを決め、時間になったら片付ける
・食事の時間にお腹がすくように、おやつの時間を考える
食べない事(偏食)への2つの課題を知る
親は、とにかく「食べて欲しい!」という気持が大きいです。
でも、考えなくてはいけないこと、課題は2つあることに気づいて下さい。
- 「食べさせる」という目の前の課題
- 「偏食の改善(食べられるものを増やす)」という先の課題
すでに食べられるものを、量を多く、スムーズに食べて欲しいことと、
新たな食材、料理にチャレンジすることは違います。
ママさんエスコーター
あなたの行動は、どちらの課題に向き合った努力でしょう?
この機会に考えてみて下さい。
食べられないこと(偏食)への対応方法
今食べることができている物に似ている食材・料理がねらい目です。
子どもの「好き」を探る
子どもが今好きな食材は、何が理由で好きなのでしょう?
味?見た目?食べやすさ?
子どもにとっての「好き」は何かを探りましょう。
子どもの「好き」とそれ以外を区別する「何か」を探る
「好き」なものがあるということは、そうでないものがあるということです。
その違いを考え、偏食の原因となっている事情を探りましょう。
子どもの「好き」を生かして対応する
「好き」から食事の幅を広げていきます。
「好き」を生かして原因を解決することで改善をはかります。
・食べられるものを一つずつ増やしていく
・「好き」を最大限活用することが大切
・食べられるもののパターンを知る
発達障害の子が固執する感覚を利用する
食事に関わる感覚は、以下の6つの感覚に分けられます。
- 触覚:手で触る、歯や舌で触れる
- 聴覚:耳で聞く
- 嗅覚:鼻で嗅ぐ
- 味覚:舌で味わう
- 視覚:目で見る
- 固有感覚:力を込める、関節を動かす
発達障害の子供には、固有感覚に極端な固執がみられることがあります。
揚げ物や、ポテトチップスなどのスナック菓子のパリパリ、カリカリした食感を好む場合が多いです。
ここでは、現在苦手な食材をパリパリ、カリカリとした食感にして、食べられるようにする方法をお伝えします。
パリパリ、カリカリしたものなら食べられる子への対応
食べられない食材を油で揚げてパリパリにする。
食べられるようになったら、少しずつ通常の形態に近づけていく。
1つが改善されてから、次の食材に取り組む。
その他の対応方法
ママさんエスコーター
同じ食器でないと食べない(飲めない)
- 他の食器も見慣れさせる
- おかわりのときに、違う食器によそう(子どもに見せる)
同じメーカーの既製品でないと食べられない
- 本人の目の前で、食器に移して提供
- 子どもの見えないところで、食器に移して提供
- 盛り付けていたものを減らす。
- 違うメーカーのものをさらに入れて横に置く。(見慣れさせる)
- お腹がすいたときに、別皿のものを食べられるようになる
炊き込みご飯など、見た目が変わると食べられない
<話が通じる場合>
炊き込みご飯を1粒~1口食べて、白いご飯を食べさせる。
そして「同じご飯だよ」と説明する。
<話が通じない場合>
白いご飯の端に、わからないぐらい少量の炊き込みご飯を置く。
→ 徐々に置く量を増やす(食べない場合も置き続ける)
※ポイント:お腹がすいた状態で行う
味がないと飲めない
牛乳、ジュースなど味のついている飲み物を主に取っていると、
味のしない水分を取るのが難しいです。
現在飲んでいる水分を10㎖単位で水と差し替えていきます。
どんどん薄くするのではなく、抵抗なく飲めるようになってから、さらに10㎖ずつ差し替えていきます。
早くても月単位で取り組む対応です。
※水分は摂取できないと、健康上問題になるので、拒絶にならないよう、不安にならないように注意!
ゆっくり焦らず進めていく
1種類ずつ、少しずつ進めていくことが必要。
食事は、健康上の問題に直結するので焦らないことが一番大事です。
- 食べなくても食卓に並べて見慣れること
- 好きな物に付け足して、ごく少量からスタート
- 園や学校での様子を聞いて、先生にもヒントをもらう
- 外食をして、「気分を変える」
- 食べやすい食器を用意する
といったことも有効です。
子どもとかけひきをしたり、「ごほうび」を設定する事もいいでしょう。
けれど、最終目標は、
『子どもが将来、自ら口にでき、おいしいと思えるようになること』
です。
試行錯誤は絶対に必要で、すぐに!簡単に!進むものではないという心構えを持ちましょう。
今できる小さな支援が、子どもの将来に繋がる
発達障害や特性のある子だけでなく、食事に興味のある子どもは少ないです。
食が細く、好き嫌いの多い子どもを見て、親は「食べて欲しい!」と切に願います。
好き嫌いの場合、年齢とともに食べられるものが増え、小学校入学後には、かなり食べれらるものが多くなっています。
ですので、幼少期に焦る必要はありません。
今食べられている物があれば、それで大丈夫です。
けれど、偏食の場合は、少しずつ改善していく必要があります。
何か始めないと、子どもは変わりませんし、子どものことを理解できません。
偏食を改善するためには、「好き」を探り、そこから方法を生み出していきます。
現在食べられるもの、好きな物を把握しておきましょう。
パリパリ・カリカリした食感を好む子が多いので、今回はそこからのアプローチもお伝えしました。
苦手なもの何種類もの食材に一気に取り組むのではなく、1種類ずつ、少しずつ、です。
最終目標は、将来、自ら口にでき、おいしいと思えるようになること。
試行錯誤が大前提であることを忘れずに、子どもにとって最善の関わりは何か、模索し続けていきましょう。
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動画で解説
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