発達障害の子どもの忘れ物は失敗ではないし、忘れ物から学ぶこともない

「子どもには、あえて失敗させた方がいいんですか?」
「忘れ物という失敗から、学ぶべきだ。」
こんな質問や意見をよくいただきます。

その度に、私は落胆します…。

・なぜそれほど、子どもに失敗させたいのか。
・どうして、忘れ物から何かを学ばせたいと思うのか。
・忘れ物を失敗と捉える根拠は何なのか。

よくよく聞いてみると、質問してきたお母さん自身の考えはなくて、

なんとなくそんな気がする

そうしたセリフをよく聞くから

こんなあいまいな答えが返ってきます。

しっかりした考えもなく、子どもに失敗を経験させようとしているなんて驚きです。
あまりにも子どもがかわいそうです。

冷静に考えて判断してください。
子どもには必要なフォローをしてあげるようにしましょう。

ママさんエスコーター

子どもへの対応を迷ってしまうあなた。
どこかの誰かに聞いた迷信に頼らず、自分で判断できるようになりましょう。

経験させるべきは、失敗ではなく「成功」

「子どもには、あえて失敗をさせるべきなのか?」
これに対する答えは、
失敗なんてさせなくていい
です。

なぜなら、子どもが必要としている経験は、失敗でなく成功する経験だからです

できた!
上手くいった!
自分はやればできる

こんな気持ちをたくさん感じることで、また次のチャレンジに進んでいけます。

そして、忘れ物は、ただの忘れ物
それ以上でも以下でもない。つまり、「失敗」ではありません。

少し想像してみてください。

あなたの忘れ物は失敗?

あなたが家族旅行で、子どものオムツやおしりふきを忘れたとします。
そのとき、夫に
失敗したな。」
「忘れて困ったこの経験をもとに、次からは忘れないように!」
なんて言われたら、イラっとしませんか?

たかが、忘れただけじゃない!
どこでも売っているから大丈夫よ。
そんなに言うなら、あなただってチェックしてくれたらよかったじゃない!

と思いませんか?

そうなんです。
忘れ物は、ただ忘れただけ。「失敗」なんて大したことではないんです。

「失敗は成功のもと」を都合よく子どもにあてはめない

いつも子どもへの対応をまよっているあなたは
『失敗は成功のもと』
という言葉を意識することがあるのではないでしょうか?

失敗は成功のもと
失敗してもその原因を追究したり、欠点を反省して改善していくことで、かえって成功に近づくことができるということ

これは、何かの目標に向かって、本人がやりたいことをやっていくうえでの試行錯誤のことです。
子ども自身が経験したくないことには、あてはめられません!
子どもが経験するべき失敗、試行錯誤とは、自分でしたいと思ってどんどん行動しているものです。

例えば、公園の砂遊び。
あなたに助けを求めることなく、懸命に積み上げては、崩れるを繰り返している。
この時の、「砂をうまく盛り上げられない。」は、次につながる行動(失敗)でしょう。

「こっちから砂を盛れば、うまくいくかもしれない。やってみよう。」
と色々チャレンジしていくことは、必要な経験かもしれません。

しなくていい経験をさせる弊害

一方、次の日の準備など、ひとりではできない場合。
そんなときは、準備の一覧や、マグネットなどを使った工夫を使って、あなたと一緒に準備をする必要があります。

なのに、「一人で準備させて、忘れ物をさせる」のは、全く必要のない経験です。

もしかして、あなたは
忘れ物をして困れば、次の日からしっかり準備をするようになる
なんて、考えを持っているのかもしれません。
ですが、忘れ物をして、子どもが感じることは

・また忘れ物をしてしまった
・先生に叱られた
・友達にバカにされた

こんなマイナスな思いだけです。
そして、よく忘れ物をする子は、先生に叱られて嫌な思いをしても、必要な文房具がなくて困っても、また次の日も忘れ物をします
そして、また叱られる…。
この経験から得られるものは

・自分はいつも叱られる
・自分はバカにされる存在だ
・学校に行くと嫌な思いをする

という気持ち。
つまり、自分自身への評価(自己肯定感)が低くなります。
また、学校へ行きたくない、という気持ちも大きくなって、不登校にもつながります。

放置せず、できないことにはフォローしてあげる

今できないことを、無理にさせて
「できなかった」と感じる経験をさせる必要はありません。

忘れ物だけでなく、「なくしもの」に関してもそうです。

大事な物を無くせば、次からは無くさないようにきちんと片付けるだろう。
なんて、放置しないでください。

・物を減らして、片付けるものを少なくする。
・子どもが片付けやすい収納を考える。
・親も一緒に片付ける。

あなたの子供にあった対応をしてください。

・忘れ物で叱られることがない
・学校で困ることがない
・物をなくす不安感がない

こんな平穏な日々が、子どもの精神を安定させます
自分で用意したり、一人で片付けできる気持ちを育みます。

失敗させず、成功体験を積んでいくことが必要

子供が小さいときは、何よりも親といる「安心感」を子どもに与えてください。

「お母さんと一緒なら、大丈夫」
「できた!」
「やればできる!」

この感覚があれば、次第に忘れ物も、なくし物もなくなってきます。

成功体験をいかに積み重ねていくか。
幼少期はここを重要視してほしいと思います。

失敗はただの失敗。
「成功のもと」なんて思わないで、しっかりフォローしてあげてください。

まとめ

『失敗は成功のもと』という言葉を勘違いして、子どもに失敗させよう、なんて考える親御さんがいます。
しかし、そんな必要は全くありません。幼少期の子どもに必要なのは、成功体験です。
できた!上手くいった!自分はやれる。という気持ちが、次のチャレンジへの原動力になります。
子どもがうまくいくように、必要な手助け、フォローをしてあげて下さい。

また、忘れ物を失敗と捉える人も多いです。
忘れ物は、だたの忘れ物です
あなた自身が、何か忘れ物をしたときのことを考えればすぐにわかるはずです。

「忘れ物をして痛い目にあえば、次の日はちゃんと用意するだろう」
なんて期待はしないでください。
忘れ物をして困っても、先生に叱られても、忘れ物をする子は、次の日も忘れます。

親であるあなたが、困っている子どもを助けてあげないと、子どもは「助けてもらえない」「自分はできない」という思いを強くしてしまいます。

親と一緒に準備をして、忘れ物なく過ごす。
誰かに助けてもらいながら、安心して毎日を過ごすことが、子どもの心を安定させます。
心が安定していれば、「自分でやってみよう」「がんばろう」という意欲を育てます。

子どもが今できる事を把握し、必要な手助けをしてあげながら、子どもの成長を後押ししてあげましょう。

ママさんエスコーター

あなたは、子どもに無理なことをさせて、「ちゃんとしなさい!」なんて言っていませんか?
できるフォローは全部していきましょうね。