自分の子は、まだ言葉がそれほど出ていない…。
でも、児童館や集団健診で、他の子がたくさん言葉を話していたり、お母さんと意思疎通がとれている姿を見ると、親としては焦りますよね。
「この子は言葉が遅い?」
「大丈夫なのかな?」
と不安になってしまいます。
そんなとき、子どもへの対応として、何をしていったらいいのでしょう。
- 周りの子より言葉が遅いような気がする
- 発達障害かもしれないと感じる
- 実際、何から始めていいかわからない
- 親が家庭でできることを知りたい
ママさんエスコーター
目次
家庭でできる言葉の伸ばし方
教科書的には、1歳6カ月では「単語がいくつか言えて指差しができる」というのが目安ですが、発達の遅れのない子でも、言葉が出ない子はかなりいます。
3歳を過ぎてから、それまでの遅れを一気に取り戻す子もいるので、小さい頃に「何歳ぐらいには、○○ができる」という指標で何かがわかるわけではありません。
ですので、1歳6か月健診から、3歳児健診の間くらいの時期に、どれだけ言葉がでているのか、というのは子どもの発達の決め手にはなりません。
そうは言っても、何も話さない、どんな音にも反応しない場合は、まずは医療機関を受診してみましょう。
聴覚検査をして、「聞こえ」に問題がないかをチェックしましょう。また、「発声」についても診てもらってください。
「聞こえ」や「発声」に問題がなければ、家庭でできることを進めましょう。
言葉の力を伸ばす「話し方」
毎日の生活のなかで、話したい、伝えたい気持を育てる話し方があります。言葉の出始めによい方法を4つご紹介します。
ミラリング
子どもの動作をそのまま、真似します。
子どもは、自分がしたことにお母さん(お父さん)が反応してくれたことが嬉しくて、またやってみよう!と思うようになります。
モニタリング
子どもが言った言葉を真似します。
子どもが「ばー!」と言ったら、「ばー!」と声や音をそのまま、真似します。
子どもは「これでいいんだ」と自信をつけて、次々に声を出します。
パラレルトーク
子どもの行動や気持を親が代わりに言葉で言ってあげます。
転んで泣いたら「痛かったねえ」、美味しいものを食べたら「おいしかったね」と代わりに言ってあげると、安心します。
セルフトーク
親が今、思っていることを言葉にします。
「おなかすいたね。ご飯を食べようか」、「もう眠いからお布団に行こうか」などです。
子どもの言葉を引き出し、確実に「伝える」
少し言葉が出てきた子には、どんどん言葉を教えてあげましょう。
テレビや動画を一緒に見て、発声する
テレビや動画の時間は、できるだけ短くしたいですが、ゼロにするのは難しいですね。
子どもが見ているときは、大人も一緒に見て、その場面を言葉にしましょう。
「電車が通るね。ガタン!ゴトン!」
「まぶしいね。キラキラ~」
このように親が言うと、子どもは
「ガー」
「キラキラ~」
と返してくれるようになってきます。
子どもの好きな物から伝えていく
アンパンマンのグッズを気に入っているなら、
「ア・ン・パ・ン・マ・ン、だね!」
と口を大きく開けて、はっきり発音して教えてあげる。
バナナが好きな子なら、
「これは、バ・ナ・ナだよ。おいしいね」
と言いながら食べる。
やはり、好きな物やお気に入りだと、子どもの関心も高く、言葉にしやすいです。
そのためには、子どものお気に入りは何なのか?子どもの好きな物をたくさん知っておきましょう。
「はっきり」「ゆっくり」「短く」伝える
子どもに確実に伝えるためには、前述のように「はっきり」言う必要があります。
また、「ゆっくり」と話してあげて下さい。
そして、
「おなかかすいてきたから、スーパーで買ってきたあのバナナを食べようか」
なんて声掛けはすごく長いですよね。
「おなかすいてきたね。スーパーでバナナを買ったよね。食べようか?」
と、一文を短くして、伝わるように話し掛けてあげて下さい。
気をつけること
「言葉を教えよう!」と躍起になって話しかけ過ぎない。ということ。
『言葉のシャワー』を浴びせよう、なんてことを聞いてきたら、四六時中話し掛けないと!と考えるお母さんがいます。
「言わせよう」「話させよう」というプレッシャーは子どもにとってはマイナスです。
そんなに躍起にならなくて大丈夫です。いつもの生活の様子を言葉にしてみよう、という程度で十分です。
言葉を育てる運動遊び
言葉の力は、体を動かす力と大いに関連しています。
体を動かす力が十分に育ってからでないと、脳は、ものごとを考えたり、言葉を話したりする方まで手がまわりません。
だから言葉を育てるためには、まず体が育っている必要があります。
子どもが喜び、脳の動きが良くなる遊びは、大きく分けて、以下の5つのパターンがあります。
ぜひ、家庭でやってみて下さい。
回転
子どもを抱えてグルグル回してあげます。
加速度
滑り台がわかりやすいです。
滑る時に「シューッ!」と音を就けた滑らせてあげます。
揺れ
子どもの体を持って、時計の振り子の様に揺らしてあげます。
上下の揺れ
「たかいたかい」が代表的です。
子どもをおんぶして走る、も楽しいです。
触る
「こちょこちょ」はとても良い刺激になります。
大人が子どもをひょいと持ち上げられる大きさなら、たかいたかいをしたり、体を持って揺らしてあげたり、たくさんの運動刺激を与えられます。
家庭での取り組みと専門機関
2歳代では、発達の個人差がとても大きいです。
けれど、3歳半まで待っても、ほかの子との差が縮まらない、2語文を話さない場合は、やはりなんらかの専門的療育が必要になってきます。
お母さん一人で抱え込まず、相談してくださいね。

専門機関でのトレーニング、指導を受けながら、上で述べた家庭でできる関わりを進めていきましょう。
まとめ
言葉が遅めだと、知能や将来の学力のことまで考えて、取り越し苦労をする場合も少なくありません。
1歳6カ月健診でも言葉の検査はありますが、その頃の個人差はとても大きく、子どもの発達の決め手にはなりません。ですが、3歳、4歳となって言葉の遅れが目立つ場合は、専門機関への相談、もしくは幼稚園・保育園の先生に相談してみましょう。
聞こえや発声に問題がない場合は、療育などと合わせて家庭でも取り組みを進めましょう。
言葉の力は、体を動かす力と連動しています。言葉を増やすためにも、たくさん体を動かして下さい。
けれど、言葉を増やそう!話させよう!と躍起になる必要はありません。
いつもの生活の様子を言葉にしてみよう、という程度で十分です。子どもの「好きな事」から言葉につなげていってあげてください。