お子さんのトイレトレーニング、進んでいますか?
・おしっこはできるんだけど、大きいほうはまだできない。
・同級生はみんな成功しているようだけど、うちの子だけまだ…。
・トイレ自体を嫌がって、どうしたらいいか悩んでいる。
こんな思いをして、焦っているあなた。
「早くトイレに行けるようになって欲しい!」
と、切実に思い、たくさんの方法を試していると思います。
トイレに関しては、個人差が大きすぎることなので、
「これをすれば、うまくいく!」
という唯一の方法はありません。
けれど、絶対に!してはいけない方法があります。
どんな子に対してもそうです。
発達障害や特性のある子なら、なおさらやってはいけません!
今回は、この「してはいけない方法」について解説したいと思います。
この方法をしてしまうと、子供は自信をなくし、自己肯定感も下がってしまいます。
トイレどころではない、大きな問題につながりますので、絶対に手を出さないようにしてくださいね。
ママさんエスコーター
目次
体の発達、排泄機能を見極めてスタートする
人間は、成長すれば本能的にトイレに行くものではありません。
トイレという場所に行って、用を足す。
ということを、教えなければ、子供はトイレに行けるようになりません。
けれど、教えれば何歳からでもできるようになるわけではありません。
実年齢よりも、その子の体の発達状態、排泄機能が整うことが必要です。
・自分で歩ける
・「おしっこをしたい」と意思表示ができる
・おしっこをある程度ためられる(間隔が2時間程度ある)
という状態になってから、スタートしましょう。
子供にあった声かけ、便利グッズを試行錯誤していく
トイレができるようになるためには、たくさんの方法があります。
・補助便座やおまるを使って練習する
・シールやごほうびをあげて、やる気を出させる
・気持ちのいい声かけをして、数時間ごとにトイレに連れて行く
・ポスターを貼ったりして、トイレを明るい雰囲気にする
声かけの方法もたくさんありますし、補助便座やおまるは、数えきれないくらい多くの種類があります。
ごほうびのあげ方も、様々です。
テレビやSNSで、効果的!とされている方法でも、我が子にそれが合っているかどうかは、やってみないとわかりません。
試行錯誤を繰り返すことが必要になってきます。
そして、発達障害や特性のある子のトイレが成功するまでは、かなりの時間がかかります。
ママさんエスコーター
トイレトレーニングが進まず、疲れてしまったら休憩する!
いろんな方法を試してみてもうまくいかない時、親は焦ります。
幼稚園に入園するまでには。
小学校に入学するまでには。
○歳になるまでには。
こんな期限をつけてしまうと、もっと焦って、子供に対してイライラします。
トイレは毎日のことなので、親の方が疲れてしまいます。
そんなときにするべきことは…
もっと効果的な方法を探す、
のではなく、「休憩」です!
親子とも疲れた時は、一旦、トイレトレーニングをお休みしましょう。
トイレトレーニングの時期を少し遅くしても、子供の人生に悪影響を及ぼすことはありません。
幼稚園の入園、小学校の入学をひかえている場合は、子供の状態を先生に説明し、配慮を受けましょう。
また、体の発達で気になることがあるなら、医療機関を受診してください。
ママさんエスコーター
絶対にしてはいけない「漏らさせる」という方法
休憩なんてできない!というお母さんの中に
「おむつをはずして、(あえて)漏らさせる」
という強引な方法にチャレンジしてしまう方がいます。
ママさんエスコーター
・漏らさせて、気持ち悪さを感じさせるべき
・気持ち悪くならないように、次からはトイレに行けるようになる
・この方法なら、3日でおむつが外れる!
なんてことが言われるのですが、
この方法をしたから、トイレが成功するという科学的なデータはありません。
もしかしたら、
「あなたも、この方法でトイレにいけるようになった」
と、親から教えられたのかもしれません。
でも、それは体が発達してトイレに行けるようになった時期と、その方法を取り入れた時期が、偶然重なっただけです。
もしくは、体が成長するまで、その「漏らさせる」という方法を延々と続けたのでしょう。
ママさんエスコーター
片付けに追われて余裕がなくなり、叱ることが増える
当たり前ですが、漏らさせるのですから、子供がおもらしをするたびに、親であるあなたがその片付けをしなくてはいけません。
朝や夕方の忙しい時間に、おもらしの片付けを笑顔でできますか?
「何で、おしっこの前に言わないの!」
「何回言ったらわかるの!」
「失敗ばかりして、いつトイレに行けるようになるの!」
なんて言葉が出てきそうじゃないですか?
こうしたことを言われるたびに、子供は落ち込みます。
漏らさせても、体の成長が促進されるわけではありません。
なので、体の成長が遅い子なら、トイレトレーニングの期間は長くなります。
その長期間、子供は毎日親から小言を言われ、責められます。
すると…、
また怒られた…
僕はダメなんだ
みんなができることができないんだ
子供は自信を失い、自己肯定感が低くなります。
発達障害や特性のある子など、ものごとの捉え方が他の子と違う場合、このネガティブ感情が、その後何年もにわたって残ってしまう可能性があります。
そうなると、大きな問題(ひきこもり、うつ病、不登校、家庭内暴力など)が生じてしまうかもしれません。
トイレに行けるようになっても、こんなことが起きては大変です!
ママさんエスコーター
気持ち悪いを教える必要はない
「漏らさせる」方法は、気持ち悪さを教えるためのようですが、大切な我が子にわざわざ「気持ち悪さ」(不快)を感じさせる必要はありません。
経験すべきなのは、「気持ちいい」(快適)です。
もし、トイレに関して子供に何かを感じさせたいなら、
パンツやおむつを履き替えたときに
「気持ちいいね」
と声をかけて、きれいなパンツやおむつの「気持ちよさ」を経験させましょう。
気持ちいいという、ポジティブな感情を教えて、漏らした時に
早く着替えて「気持ちいい」状態になりたい。
早くお母さんに伝えよう。
と思えるようにしてあげましょう。
自己肯定感を低くするリスクをとってまで、早くトイレにいけなくていい
トイレトレーニングが進まないと、親は焦ります。
幼稚園入園まで、小学校入学まで、と期限がついていたら、なおさらです。
でも、排尿・排便に関しては、体の発達が大前提になります。
体が発達していない、歩けない、意思表示ができないときに、がんばってトレーニングをしても結果は出ません。
親が焦って、「漏らさせる」という強引な方法をすると、その後が大変です。
トイレトレーニングが進まないことに加えて、片付けのストレスもたまります。
知らず知らずのうちに、「何回言ったらわかるの!」「失敗ばかりして!」といった声かけが増え、子供は「自分はダメなんだ」「できないんだ」という感情を持ってしまいます。
一度、自己肯定感を下げてしまうと、そのあと何年にもわたって、このネガティブなものの捉え方に、親子で苦しむことになります。
「漏らさせる」という方法が、もし万が一、トイレトレーニングとして有効であったとしても、メリットよりデメリットの方がはるかに大きいのです。
子供には「気持ち悪い」をわざわざ経験させず、「気持ちいい」を積極的に感じさせてあげてください。
トイレトレーニングで焦っているお母さんは、ちょっと休憩してください。
強引な方法ではなく、子供の成長を待つ、先生に配慮を頼む、医療機関に相談するといった優しいアプローチでやっていきましょう。
ママさんエスコーター