子どもが癇癪を起したり、パニックになったり…。
一日に1度でもあると、そばにいる親はげっそりします。
「癇癪を起したら、そっと抱きしめてあげましょう」
「気持ちをわかってあげましょう」
あなたはこんな言葉、信じられます?
・癇癪を起した子どもを何とかしたい!
・パニックになっている子への関わりが知りたい!
・子どもが早く落ち着く方法が知りたい!
・色んなキレイゴトにうんざりしている・・・。
こんな思いのあるあなた、ぜひ読んでみてくださいね。
ママさんエスコーター
目次
抱きしめてあげましょう、は本当??
実際に子どもが癇癪・パニックを起こしてしまったら…。
母親のあなたは、一刻も早く何とかしたい!と思いますよね。特に外出先なら人の目もありますし、なおさらです。
そして、もし次癇癪やパニックを起こした時のために、どうしたらいいか知っておきたいですよね。
そんなあなたが必死で調べると、よく出てくる言葉がこれ。
「そっと、抱きしめてあげましょう」
実際、「抱きしめる」ことにチャレンジした、もしくはチャレンジしようとしたあなたは、きっと思ったと思います。
ホントに??
と。
実は、癇癪やパニックを起こしたときの対応は、「抱きしめる」ではないのです。
その理由を以下に挙げます。
「そっと、抱きしめてあげましょう」が適切でない理由
癇癪やパニックを起こしたときの対応は、「抱きしめる」ではない、その理由を以下に挙げます。
- 子どもが大暴れしていて、抱きしめること自体が物理的に無理だから
- 誰かに触れられることで、子どもがより興奮してしまうから
- 暴れている子どもの手や足で、抱きしめようとする人がケガをしてしまう可能性があるから
ですので、もしあなたの子どもが…
- 子どもから「抱っこ」をせがんできた
- 抱きしめられることで、子どもが落ち着いたことがある
- 体が小さく、力が弱いことで、誰もがケガをする可能性が低い
こうした場合は、「抱きしめ」てもいいかもしれません。
けれど、やはり親側がぐったりしてしまうような癇癪やパニックを起こした場合は、抱きしめるのは現実的ではないでしょう。
子どもが癇癪やパニックを起こしたとき、実際にできること
「そっと、抱きしめる」ということが現実的ではない??
ママさんエスコーター
(1)安全を確保する、移動する
子どもがかんしゃく・パニックを起こしたのが、外出先、とくに歩行者や自転車の行き来の多い道路なら、道路の端に寄る。
スーパーなどの店の中なら、店を出て、駐車場など迷惑にならない場所に移動する
家の中でも、食器やはさみなど危険なものが近くにあるなら、それらをどけるか、物が多くない落ち着ける部屋に移動する。
子どもを移動させたり、周りの物を排除するのは力仕事ですが、子ども本人や周囲の人の安全のためなので、ここは頑張るしかありません(キレイごとなしで伝えています)
(2)待つ
一旦、癇癪・パニックを起こした子に、親側から何か働きかけたからといって、その興奮状態が短くなる、早く元の状態に戻る、ことは考えにくいです。
ただ、ひたすら待つ。それが一番、回復が早いです。
「大丈夫!」
と言ってしまいがちですが、この声掛けはしない方がいいでしょう。
なぜなら、子どもは大丈夫でないから、このような状態になっているからです。子どもは、『自分を理解してくれない』という気持になってしまいます。
また、どうしていいかわからず、早く落ち着いて欲しいという気持から、親も興奮状態になって、
「静かにしなさい!」
「やめなさい!」
「どうして、いつもそんなことをするの!」
「~をあげないよ。」
など、子どもに否定的な言葉を使ってしまうことがあります。
子どもは、親が思う以上に深く傷つき、このときのことを記憶に残してしまいます。
付き添う親も、子どもと同じくらいしんどい思いになりますが、早く事態を収束させるため、子どもの心を傷つけないためにも声掛けには注意して下さい。
(3)気持ちの切り替えを手伝う
興奮が落ち着いてきて、こちらに耳を貸してくれるような状態になってから(焦りは禁物です)、「おもちゃほしかったね」「負けてくやしかったね」と子どもの気持ちに共感します。
そして、「これで遊ぼうか」と子どもの好きなおもちゃで次の行動に誘導したり、お気に入りのぬいぐるみを持たせて、落ち着くのを手伝います。
(4)好ましい行動を教える
しっかり落ち着いて、しばらく時間が経過してから
「負けてくやしいときは、『くやしい』と言葉で教えてね」
「気持ちが抑えられなくなったら、○○の部屋でゆっくりしようね」
と、癇癪やパニック以外の気持ちの伝え方、自分の気持ちの落ちつけかたなどを教えます。
そのことで、癇癪やパニックの頻度や程度を少しずつ減らしていけます。
ママさんエスコーター

癇癪やパニックが多い我が子は、もしかして発達障害?
子どもは1歳ごろから、何か気に食わないことや嫌なことがあると、
- 泣いて叫ぶ
- 床にひっくり返って暴れる
- 物を投げる
- 手足をバタバタする
- 足を踏み鳴らす
といった行動をとります。
2~4歳ごろが最も多いとされています。
4歳を過ぎているのに、なかなか癇癪がおさまらない。
こんなにやりづらいのって、もしかして、発達障害??
こんな思いのお母さんもいるでしょう。
また、
3歳だから、何かあって大騒ぎしていても大丈夫ということでもありません。
癇癪やパニックが多いからといって、必ずしも発達障害とは限りません。
けれど、
- なぜそれほど癇癪・パニックを起こすのか。
- 子どもの求めていることは何か。
- どんな特性があるのか。
ということを考えていく必要があるでしょう。
ママさんエスコーター

まとめ
癇癪やパニックへの対応として、「そっと、抱きしめてあげましょう」ということが多くの育児書やネットに見られます。けれど、実際子どもが大暴れしている時に「そっと、抱きしめる」ということはできることではありません。
早く状況を収めたい!そばにいる親も、子どもと同じように興奮してしまって、結局状況を長引かせてしまうことがよくあります。
癇癪・パニックが一旦起きてしまったら、安全を確保したうえで待つ。今後のことを考えるなら、子どもがしっかり落ち着いてから好ましい行動をコツコツ教えていくしかありません。
また、子どもの癇癪やパニックが頻繁に起きるから、発達障害である、とは言えません。けれど、子どもからの「何らかのサインである」と受け取る事ができます。発達障害であってもなくても、子どもの癇癪・パニックは年齢があがるにつれ、落ち着いてくるものですが、母親一人が子どもの癇癪・パニックに立ち向かうのは困難です。
母親のため、子どもが過ごしやすい日々を過ごすため、周りの協力・援助を得ながら、子どもの癇癪・パニックに付き合っていきましょう。
ママさんエスコーター