あなたの子供は、嘘をつきますか?
子供が嘘をつくと、
・嘘をやめさせないと!
・いかに嘘が悪いことがを教えないと!
・嘘から始まって犯罪に結びつくのでは?
と、不安になって
やみくもに子供を叱ったりしていませんか?
実は、そうした親の対応は、逆効果になることがあります。
発達特性のある子は、嘘をつきやすかったり
どんどん嘘がエスカレートする傾向があります。
ですが、子供が頻繁に嘘をつくのは、
その子の特性よりも環境によるものが大きいです。
嘘に嘘を重ねるようになるのも、周りの対応によるものです。
子供が嘘をつく理由と対応、
そして「してはいけない対応方法」を頭に入れておき、
子供の嘘がエスカレートしないようにしましょう。
ママさんエスコーター
嘘をつかせたくない!と懸命にしていることが、裏目に出ているかもしれませんよ。
子供が嘘をつく理由
子供が嘘をつく理由は大きく分けて
以下の5つの理由があります。
子供が嘘をつく理由①そうなってほしい願望があるから
「〜だったらいいな」という気持ちがあるため、
それが現実でなくても、言ってしまう場合です。
例えば、親が
「夏休みは、沖縄に旅行に行けたらいいね」
と言っていた言葉を聞いた時、
旅行に行きたい気持ちが大きくなり
まだ旅行は決まっていなくても、
「夏休みに沖縄に行くんだ!」
と友達に言ってしまうのです。
また、
「(育てている)朝顔と話したよ」
なんて、子どもが言うことはないでしょうか?
こうした場合も、
子どもにとって大切にしているものや
大好きなものと話したいという願いがあります。
空想と現実の区別がつかない
幼い子がよくつく嘘といえます。
子供が嘘をつく理由②親の注意をひきたいから
親が忙しくて
物理的に子供との時間がとれなかったり、
親が子供に関心を寄せていない場合、
「どうにかして親の注意をひきたい!」
と子供は思います。
そんなとき、
「今日、テストで1番だったよ」
なんて、本当は1番でなかったとしても、
親にかまってもらおうとして、嘘をつくことがあります。
子供が嘘をつく理由③自分の失敗を隠したいから
コップのお茶をおぼしてしまったときに
「僕じゃないよ。妹だよ。」
と、他人のせいにするような場合。
自分がやったと本当のことを言えば、
親に怒られたり、
「またやったの?」と失望されるのを
避けるために、嘘をつきます。
つまり、自分の失敗を隠し、
自分を守るために嘘をついているのです。
子供が嘘をつく理由④心配をかけないため
学校で友達ができていなくても、
「友達がいない」と正直に言うと
親を心配させてしまうので、
「友達できたよ」
「楽しいよ」
と、親を安心させるために子供は嘘をつきます。
つまり、
「友達できた?大丈夫?」と聞きすぎたりしていると
親の心配が子供に伝わり、子供の嘘につながることがあります。
子供が嘘をつく理由⑤親がよく嘘をつくから
子供にとって、1番身近にいる親が
いつも嘘をついていると、
子どもも嘘をつくようになります。
例えば、
親が疲れているときに
「遊園地に連れて行って」と言われて、
子どもにうまくあきらめてもらうために
「今日は、遊園地は休みだよ」
と返す。
こんな嘘も、つき続けていけば
子供も次第に嘘だとわかってきます。
「嘘はついていいもの」
と親が教えていることになり、
子供は嘘をつきやすくなります。
ママさんエスコーター
子供の嘘への対処法
では、子供の嘘にどう対応していけばいいのでしょうか。
3つの対処法をご紹介します。
子供の嘘への対処法①話を最後まで聞く
明らかな嘘であっても、
とにかく最後まで話を聞きましょう。
途中で
「なんでそんな嘘をつくの?」
と話を切ってしまうと、
子どもの本当の気持ちや
あなたにしてほしいことがわかりません。
お母さんに聞いてもらえばそれで満足。
という場合もあります。
家事などで忙しいときは、
「このお皿を洗ってから聞くね」
「お風呂の中で聞くよ」
「お父さんに聞いてもらって」
と、時間や人を変えて聞く時間をとるようにしましょう。
ママさんエスコーター
あなたに十分に聞いてもらえれば、
次第に嘘はつかなくなってきます。
子供の嘘への対処法②親の気持ちを伝える
子どもの嘘が良いか悪いかを判断する前に、
自分の気持ちを伝えましょう。
「お母さんは悲しい気持ちになったよ」
「お母さん、残念だな」
「そんな嘘をつかなくても、
お母さんは○○ちゃんのこと好きだよ」
ものごとの善悪がつかない子でも、
大好きなお母さんが悲しい思いをしていると
「いけないことした」ということがわかります。
また、子どもが不安な気持ちや
自分を守りたい気持ちで嘘をついているなら、
そんなことをしなくても大丈夫だよ、
と教えてあげましょう。
くれぐれも、
「お姉ちゃんなんだから、そんな嘘つかないよ」
「もう○才なんだから、そんなことを言わない」
「みんな、そんな嘘つかないよ」
といった、
誰かや何かを基準にした言い方はしないでください。
あくまでも「お母さん」「私」を主語にして
気持ちを伝えてくださいね。
子供の嘘への対応③嘘がいけない理由を説明する
前述したように、子どもは
①そうなってほしい願望があるから
②親の注意をひきたいから
③自分の失敗を隠したいから
④心配を掛けないため
⑤親がよく嘘をつくから
という理由で嘘をついています。
それほどの悪意はありません。
でも、一般的に嘘はよくありません。
嘘をつくことでどんなことが起こるのかを
優しく説明してあげてください。
「嘘だとわかったら、友達はガッカリしてしまうよ。」
「本当のことを言っても、次、友達は信じてくれなるよ。
そんなのイヤでしょ?」
「嘘ついちゃった…と、自分がしんどい気持ちになるよ。」
こうした説明をしても、
すぐに理解できないかもしれません。
でも、
・嘘をついて、友達が遊んでくれなくなった
・友達に嘘をつかれて、腹が立った
・嘘をつくよりも、早く謝った方が楽だった
という経験を積むことで
嘘はよくない、ということがわかってきます。
ママさんエスコーター
嘘をついたときのNGな対応
子供が嘘をついたときの
NGな対応方法について解説していきます。
まだ嘘をつかない年齢の子供をもつあなたも、
将来のために知っておいて下さい。
ママさんエスコーター
嘘へのNGな対応①話を聞かずに謝らせる
話を最後まで聞くことが大事、
ということは上記でお伝えしました。
どんな嘘であれ、最後まで聞いて、
その内容を判断していくことが必要です。
そして、話を聞かないばかりか、
「ごめんなさい、しなさい!」
と謝らせようとするのは、絶対にやめてください。
たとえ、その嘘が誰かを傷つけるとわかっていて
ついた嘘であっても
「ごめんなさい、って言えばそれでいいんだ」
ということを学んでしまいます。
なぜ、嘘をついてはダメなのか、
本人がわかれば、自分から謝りますし、
理解できていないときに
強引に謝らせても、何も得るものはありません。
嘘へのNGな対応②理由を問いただす
子どもが嘘をついたときに
「どうして、嘘をついたの?」
「なぜ、そんなことを言うの?」
「何を考えているの?」
と、問い詰めると、子どもにとって
それは叱られているのと同じです。
恐怖を感じますし、
本当のことを言えば、また叱られる!
と、また嘘を重ねる結果になります。
なぜそんな嘘をつくのか?
と親はどうしても知りたくなります。
が、そこで問い詰めたところで
本当の理由にはたどりつきません。
多くの場合、時間がたって
周りの状況がみえてくると
なんとなくわかってきます。
焦って、理由を問い詰めるのは
やめておきましょう。
ママさんエスコーター
嘘へのNGな対応③嘘つき呼ばわりする
子どもが何度か嘘をつくと、
「あなたは嘘つき」
「いつも嘘をつく」
「また、嘘でしょ?」
といった言葉を発する親御さんがいます。
これは、子供が本当に傷つきます。
また、この言葉を聞いた兄弟からも
「お兄ちゃんは嘘つきだ!」
と言われてしまうこともあります。
家族の中で
穏やかに過ごせなくなる可能性があります。
大切な自分の子を「嘘つき」なんて
言うのは絶対にやめてください。
親子関係、家族関係に
ヒビがはいってしまいます。
3つのNGな対応方法に共通することは、
「愛情残高が減る」ということです。
親子関係を良好に保ち、
他の問題にも対応していくためにも、
ぜひ気をつけてほしいと思います。
ママさんエスコーター
まとめ
子供が嘘をつく理由は
①そうなってほしい願望があるから
②親の注意をひきたいから
③自分の失敗を隠したいから
④心配を掛けないため
⑤親がよく嘘をつくから
というもので、それほどの悪意はありません。
嘘をつくと、親が注意をむけてくれる、叱られずにすむ。
という「良いこと」を経験すると、子供は嘘をつきやすくなります。
躍起になって、嘘がダメ!と言い聞かせるより
①話を最後まで聞く
②親の気持ちを伝える
③嘘がいけない理由を説明する
という対応をしていきましょう。
嘘をつくと「良くないことが起きる」という経験によって、
嘘は落ち着いてきます。
つまり、周りの人や対応によって
子供の嘘は増えたり、減ったりするということです。
「最近、子どもがよく嘘をつく…」と感じた時は、
親である自分の毎日の行動を
見直すようにしてみてください。
また、
①話を聞かずに謝らせる
②理由を問いただす
③噓つき呼ばわりする
といった対応は、絶対にしないでください。
嘘がエスカレートするだけでなく、
親子関係が悪くなり、嘘以外の問題行動が増えてしまいます。
子供の嘘が気になる時は、
・親が、その場しのぎの嘘をついていないか。
・嘘をつかないと聞いてもらえないと感じるほど、親が忙しくしていないか。
・子供が本当のことを言えないほど厳しくしていないか。
と、まずは親自身の行動をふり返ってみましょう。
子供が嘘をつくと、親としては心配ですが、
親が自分の行動を変え、愛情残高をたっぷり貯めていけば、
子供の嘘は減っていきます。
ママさんエスコーター