あなたの子供は、友達とケンカをしませんか?
小学校で、トラブルは起きていないでしょうか?
状況や、相手の気持ちを理解するって(大人でも)大変です。
・相手を怒らせたのに、理由をわかっていない
・友達が怒った原因(自分の言葉)に気づいていない
・ウソをついても、悪いと思っていない
こんな場合、「言葉」で何度も言って聞かせても、なかなか子供は理解できません。
そんなときに、ぜひ利用して欲しいのがコミック会話。
言葉だけで一方的に伝えるよりも、理解が深まります。
今後のトラブルをさけるためにも、コミック会話について知り、毎日の生活に取り入れてみてください。
ママさんエスコーター
目次
発達障害の子は友達とのトラブルはどうしても多くなる
小学校に入るまでは、公園で遊ぶ時やどこかに出かける時は常に親がそばにいます。
また、幼稚園や保育園では、外で遊ぶときも、先生が子供たちを見てくれています。
でも、小学校に入ると、子供だけの時間が多くなります。
休み時間まで、先生が見てくれているということはありません。
なので、小学校に入ると、空気を読んだり、相手の気持ちを想像するのが苦手な子は、
大人の目の届かないところで友達同士のトラブルが多く発生します。
「何があったの?」と後に話を聞いても、状況がわからないことが多いです。
説明がうまくできる子ならいいのですが、
発達障害の特性があって、興奮しやすい子や、自分のことを正当化しやすい子は、問題解決の話し合いすらできません。
いつも友達とケンカが絶えない子には、「問題の多い子」としてのレッテルが貼られてしまい、何もやっていないのに、悪者扱いされたり、誤解を受けてしまうこともあります。
まず、子供には
自分が何をしたのか、何を言ったのか。
相手に何をされたのか。
ここを正確に把握させなければいけません。
そのために、ぜひ使って欲しいのがコミック会話です。
発達障害の子に有効なコミック会話とは?
コミック会話とは、人の形の絵に吹き出しを組み込み、会話の中での状況理解をうながす方法です。
自閉症や発達障害のある子供のための、コミュニケーション支援のひとつです。
子供との話し合いがとてもやりやすくなり、療育やソーシャルスキルトレーニングの場でよく紹介されています。
詳細については、こちらの本がわかりやすいと思います。
コミック会話の具体的な活用方法
コミック会話では、その場面を「棒人間」と「吹き出し」の絵を描いて、トラブルになった場面を振り返ります。
「絵」や「色」「記号」で状況を示して、子供の理解を深めていきます。
トラブルになった場面を絵で振り返る
例えば、けんた君がみきちゃんに傷つくことを言ったのに、けんた君はそのことに気づかない。
みきちゃんに嫌われてしまっても、その原因がわからない場合。
けんた君とみきちゃん、2人の棒人間を描きます。
そして、けんた君の言った言葉や、2人の気持ちの吹き出しを入れます。
色や記号を用いて、気持ちを見える化して確認する
けんた君の言った言葉を吹き出しの中に書きます。
まだ文字の読めない子には、その言葉が
「プラスのイメージ」のものか「マイナスのイメージ」のものかを色で表現します。
「悲しい」というみきちゃんの気持ちを書いたり、色で表現します。
状況を確認して、話し合いを始める
トラブルになった状況を絵で確認して、
「この言葉を、どんなつもりで言った?」
「他に言い方はないかな?」
「みきちゃんは、どんな気持ちかな?」
と、子どもとの話し合いをスタートさせます。
子どもを責めたり、叱りつけるためにするのではなく、
「子どもが自分で考えるきっかけにする」
ということを覚えておいてください。
コミック会話の効果
コミック会話の効果を説明していきます。
状況を客観視することができる
言葉で
「なんでそんなことを言ったの?」
「ダメでしょ!」
「あやまりなさい」
と言われても、子供はふにおちません。
・自分の言った言葉を目で見る
・みきちゃんが嫌な気持ちになったことを確認する
・その時の状況を、絵で振り返る
といったことをすると、状況を客観視できて、意外にすんなり、自分の行動を振り返ることができます。
気持ちの種類を知ることができる
コミック会話では、色や記号も用います。
- うれしい・楽しい、といった「プラスの気持ち」の色、嫌い・悲しいといった「マイナスの気持ち」の色を区別する
- 心の中の思いも、吹き出しの中に書く
- びっくりした時は、「!」のマークを使う
こうしたことで、気持ちの種類を知ることができます。
何かあったとき、自分の気持ちがプラスなのか、マイナスなのか。
ということだけでも表現できれば、周りの対応がとても楽になります。
気持ちを外に出すことで、問題に向き合える
紙に書いて、「見える化」することで、状況や自分の気持ちを外に出すことになります。
外に出すことを外在化と言いますが、外在化することで、気持ちを言葉で表すことができるようになり、話し合いができるようになります。
・お腹がすいていて、イライラしていた
・みきちゃんには嫌われたくない
・そんなつもりで言ったわけじゃない
そのときの自分の気持ちを整理し、「では、どうするべきだったのか」「これからどうするべきか」を考えていけるようになります。
コミック会話を用いて状況を把握し、自分で考えるきっかけにする
子供が小学校に入ると、子供同士のトラブルはどうしても多くなります。
自分が言ったこと、したことによって、友達がどんな思いをするのか。
といったことを冷静に振り返って、同じことを繰り返さないことが必要です。
そのためには、子供にその状況をしっかり理解させなければいけません。
言葉で、「どうしてそんなことを言ったの!」「ダメでしょ!」といっても、子供には伝わりません。
コミック会話を使って、目で見えるかたちで状況を説明していきましょう。
自分の言った言葉や相手の気持ちを「絵」で確認すると、理解しやすいです。
そのうえで、本当はどんな風に話せばよかったのか、これからどうするべきか。
を親子で話し合うことが、次につながります。
友達とのトラブルが多い子は、何か起きると
「またあの子が…」
というように、誤解を受けやすくなります。
空気を読む。相手の気持ちを想像する。ということが苦手な子には、どんなときには、どんな行動が適切なのか。
具体的に伝え続けていくことが大切です。
そして、コミック会話で状況を把握させるのは、子どもを責めたり、叱りつけるためにするのではなく、
「子どもが自分で考えるきっかけにする」ためである。
ということを十分に理解しておいてくださいね。
ママさんエスコーター