「子どもが落ち着きがなく集団行動が苦手」
「かんしゃくがすごい。育てにくいのはなぜ?」
そんな我が子の悩みから
「もしかしたら我が子は発達障害なのかもしれない」
と悩み始めるお母さんが非常に多いです。
でも発達障害ってどんな症状のことをいうのか多くのお母さんは理解していません。
まずは、正しい知識を身につけることからはじめてみてください。
きっと考えが変わってくるはずです。
ママさんエスコーター
発達障害とは
発達障害者支援法には…、
自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害。その他これに類する脳機能の障害であって
その症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの
と定義されています。
つまり、生まれつきの脳の機能障害により社会生活に困難が発生する障害のことです。
発達障害は、行動や認知の特徴(特性)によって、主に次の3つに分類されます。
- ASD (自閉症スペクトラム障害)
- ADHD(注意欠如多動性障害)
- LD (学習障害)
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ASD(自閉症スペクトラム)
ASDは、自閉症やアスペルガー症候群と呼ばれる一群をまとめたものです。
一般的に「空気を読む」といった臨機応変な対応ができずに、対人関係や社会性に問題が起きる
「融通が利かない」
「こだわりが強い」
というような行動や興味の偏りがあることを特徴とします。
以下に特徴を挙げます。
社会性と対人関係、コミュニケーションが異質
・集団遊びや他の子どもに興味をもたない(一人でいることを好む)
・一方的に言いたい事だけを言ってしまう
・人の気持ちに配慮できない
・話し言葉が遅れている
・オウム返しが多い
・質問に対して上手く答えられない
・皮肉やたとえ話を理解できない
・視線を合わせようとしない
・指さしをせず興味を伝えない
同一性へのこだわりや興味・関心の狭さ
・特定の物事に強いこだわりがある
・予定が変わったり、ものごとの手順が変わると混乱する
・興味のあることにとことん没頭する
また、聴覚・視覚・嗅覚・触覚・味覚などの感覚過敏、その逆の鈍麻を伴うこともあります。
ADHD(注意欠陥多動性障害)
ADHDは、
- 不注意(集中力のなさ)
- 多動性(落ち着きのなさ)
- 衝動性(順番待ちができないなど)
の3つの特性を中心としています。
不注意
物をなくすことや忘れ物が多い
勉強に集中できない
衝動性
予測や考えなしに行動してしまう
相手の話を待てない
カッとなりやすく、すぐケンカになってしまう
多動性
じっとしていられない
動き回る
しゃべりすぎる
診断での分類
また診断としては、不注意優勢型,多動性・衝動性優勢型,混合型の3つの病型に分類されます。
- 不注意優勢型:不注意を起因とする症状が主に現れるタイプ
- 多動性・衝動性優勢型:多動性や衝動性から起こる症状が主に現れるタイプ
- 混合型:上記に挙げた不注意・多動性・衝動性が同程度に目立つタイプ
LD(学習障害)
文部科学省の定義では、
基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。
とされています。
読字障害(ディスレクシア)
読字障害は、読むことが苦手という障害です。(学習障害の中で一番多くみられる)
読むことに障害があると、文字を書くことにも困難を感じる場合が多い。
・文字と「その文字が表す音」とが一致しにくい
・勝手読み、読み飛ばしが多い
・読み書きに時間がかかる
・音声など耳から入る情報は理解できる
・「っ」「ゅ」など小さい文字を認識にしくい
書字表出障害(ディスグラフィア)
文字が書けない、書いてある文字を写せない、など物を書くことが困難なタイプです。
文字が読めるのにもかかわらず書けない場合もあります。
・文字が左右反対(鏡文字)になってしまう
・誤字脱字が多い
・文字の大きさに均一性がない、マス目からはみ出る
・年齢相応の漢字を書けない
算数障害(ディスカリキュリア)
数字・数式の扱いや単純計算が困難なタイプの学習障害です。
数字に関する能力にのみ障害がある人が多いため、算数の学習を始めてから発見される場合がほとんどです。
・1・2・3といった基本的な数字や+・-・×・÷という記号の認識も難しい
・繰り上がり、繰り下がりの計算が困難
・数字の大小の認識ができない
・図形やグラフの理解が難しい
特性を複数持つことも多い
以上の特性を見て、あなたの子どもにあてはまるものはありましたか?
「落ち着きもないけど、空気も読めないような気もする…。」
「いくつもあてはまって、どれかよくわからない。」
そんなことも、実はよくあることなんです。
発達障害は上の3つのグループに分類されていますが、この3つのグループの境界は明瞭ではなく、これらの症状を併せ持つ場合も多くあります。
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また、知的障害を伴うこともあります。
同じ診断名であっても、全く逆の症状が出ることもあり、診断名だけではその人の持っている特性はわかりません。
グレーゾーンとは?
グレーゾーンという言葉を、あなたは聞いたことがあるのではないでしょうか?
白でも黒でもない。あやしい状態??
こんなイメージで、「うちの子、もしかして…」と心配した母親が、自ら考えて「うちの子、グレーゾーンだわ」なんて言う人もいます。
けれど、発達障害のグレーゾーンとは、『発達障害の症状は見られるものの、発達障害の診断基準を満たさない状態』をいいます。発達検査を受けたり、医師の診察を受けたうえでのグレーゾーンなので、「自称」グレーゾーンは、グレーゾーンではありません。
幼少期では、どの子も落ち着きがないですし、衝動的な行動が多いです。そして数字の認識、計算式、また漢字も知らない状態ですので、学習障害(LD)の診断をすることが難しくなってきます。
子どもの場合、診断の時期を待つという意味でも、発達障害の診断はされずにグレーゾーンと言われることがあります。
グレーゾーンとは、確定診断がついていないけれど、症状がある状態、本人や親、周りに困り感を抱えている状態です。
グレーゾーンと言われた場合、そして「自称」グレーゾーンの場合も、やはり発達障害と診断を受けている場合と同じ対処が必要になってきます。
母親の自己判断は要注意。発達検査や相談を優先して。
あなたのお子さんは、上記の症状のいずれかにあてはまりましたか?
幼少期の子どもなら、いくつかの項目にあてはまっても不思議ではありません。
あてはまる項目があるから、イコール発達障害ということではありません。また逆に、上記にはあてはまることがないから、「発達障害ではない」とも言い切れません。
あなたの子どもがどうなのか、ということは発達検査などをしてみないとわかりません。自己判断で、色々決めつけてしまわないように気を付けて下さい。
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相談機関を利用する
母親が1人で思いつめて、子どものできないところ、周りとの違いを何とかしようとして、
- 厳しくする
- 何度も指導する
- 叱る
といった対応をしてしまう場合がよくあります。
こうした場合、子どもが発達障害であってもなくても、子どもの自信をなくしていまい、自尊心が傷ついてしまいます。
自尊心が傷ついた子どもは、二次障害(不登校、引きこもり、家庭内暴力、非行など)を引き起こす可能性が高くなるので、要注意です。
「ちょっとやりにくい」「気になることがある」と思うことがあれば、一歩踏み出してみることが必要です。
発達検査を受けたり、医療機関を受診することで、子どもの特性や傾向がわかります。
それにより、子どもは過ごしやすくなりますし、もちろんあなたの育児へ負担や不満も軽減されます。
「発達障害かも?」と思ったときは、1人で思いつめずに相談機関に相談することが大切です。
相談機関に関しては、こちらを参考にして下さい。

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