発達障害の療育って何?早期療育、トレーニングを受けると、どのような効果がある?

我が子が発達障害かもしれない。

そう思って調べていくと、きっと出会う「療育」という言葉。

 

療育って、一体何?

 

効果はあるの?

 

どうやったら受けられるの?

 

そして、早く療育を受ければ子どもの状態はよくなるの?

 

わからないまま時間が過ぎる、それは本当にもったいないです!

 

ママさんエスコーター

これを読んで、あなたのできることをすぐに始めましょう。

発達障害の子どもが受ける「療育」って何?

「療育」という言葉の意味や概念は、時代とともに変わっており、決まった定義はないようです。

 

辞書で「療育」を調べると、以下のような説明がされています。

 

【療育】

心身に障害をもつ児童に対して、社会人として自立できるように医療と教育をバランスを保ちながら並行してすすめること。

引用元:日本大百科全書

 

 

そして、厚生労働省の児童発達支援ガイドラインでは、「児童発達支援」という言葉として、以下のように述べています。

 

児童発達支援は、障害のある子どもに対し、身体的・精神的機能の適正な発達を促し、

日常生活及び社会生活を円滑に営めるようにするために行う、

それぞれの障害の特性に応じた福祉的、心理的、教育的及び医療的な援助である。

引用元:厚生労働省 児童発達支援ガイドライン

 

 

つまり

療育とは、

 

発達障害だけでなく、様々な障害をもつ子どもが、

社会的に自立できるように、医療や教育機関が連携して、

必要なトレーニングを行っていくこと。』

 

と解釈できるのではないでしょうか。

 

 

療育の対象は?どんな支援・施設がある?

療育は、民間企業などが行っているものなど、さまざまあります。

ここでは、公的に受けられる療育について説明します。

まずは、深く理解しようとするよりも、全体像をつかんでいきましょう。

 

療育の対象

児童福祉法に基づき、支援が必要と認められた18歳未満の障害(身体障害、知的障害、精神障害)のある児童。

 

支援・施設

障害児支援の利用形態を、児童福祉法の分類にしたがって説明します。

 

まず、大きく「通所」と「入所」の2つに分けられます。

 

障害児通所支援

①児童発達支援(児童発達支援センター、児童発達支援事業所)
小学校就学前の6歳までの障害のある子どもが主に通い、支援を受ける。 日常生活の自立支援や機能訓練を行ったり、保育園や幼稚園のように遊びや学びの場を提供したりといった障害児への支援を行う。

 

②医療型児童発達支援(医療型児童発達支援センター)
障害のある児童が通所し、日常生活の基本的動作の指導や、知識や技能の訓練を受け、併せて治療を受ける

 

③放課後等デイサービス
6歳から18歳までの学校に就学している障害児が、授業の終了後または休業日に通い、自立支援と日常生活の充実のための活動を行う。

 

④保育所等訪問支援
保育所等に通う障害児、又は今後利用する予定の障害児に対して、訪問担当者がその施設を訪問し、集団生活への適応のための専門的な支援等を行う。

 

 

障害児入所支援

①福祉型障害児入所施設
障害のある児童が入所し、保護、日常生活の指導等を受ける。

 

②医療型障害児入所施設
障害のある児童が入所し、保護、日常生活の指導等を受け、併せて治療を受ける。

 

どの施設・どの支援が良いか悪いか、ではなく、まずはあなたの子どもに、どの施設・どの支援が必要かを考える必要があります。

そして、家の近くにその施設があるかの確認も必要になってくるでしょう。

 

 

公的な療育を受けるまでの流れ。療育手帳は必要?そして利用料金は?

 

療育を受けるまでの流れ

療育を受けるまでの流れを説明していきます。

 

1
利用相談
相談窓口で、子どもの様子を伝える。

障害児通所支援の場合:市区町村の福祉相談窓口・障害児相談支援事業所等

障害者入所支援の場合:地域の児童相談所

 

※迷う場合は、まずは市区町村の福祉相談窓口・障害児相談支援事業所などに相談

2
施設見学・相談

実際に利用したい施設を見学。

相談・面談を受け、障害児施設利用計画を立てていく。

 

3
受給者証の申請

公的な療育を受けるには、受給者証が必要

必要な書類は、相談時などに確認。

障害児通所支援の場合:障害児通所給付費支給の申請

障害者入所支援の場合:障害児入所給付費支給の申請

 

4
受給者証の交付
支給担当者によって、要件(障害の種類や程度)を満たしているか、サービスの内容について審査・調査がされた後、受給者証が交付される。

 

※受給者証には、サービスの種類と支給量、支給決定期間、利用者負担上限月額等が記載されている。

 

障害児通所支援の場合:「通所受給者証」の交付

障害者入所支援の場合:「入所受給者証」または、「障害児施設医療受給者証」の交付

 

5
サービスの利用開始
施設に受給者証を提示して、利用契約を行いサービスの利用開始

 

療育手帳は必要?

さて、こんな質問が出てきそうですね。

 

療育を受けるには、療育手帳が必要?

 

結論を言うと…

 

ママさんエスコーター

療育を受けるには、(多くの場合)療育手帳は必要ありません

 

 

前述したように、療育を受けるには「受給者証」が必要になります。

この受給者証を取得するための書類の一つに、「医師の意見書または診断書」というものがある場合がほとんどです。

その場合は、医療機関を受診する必要があります。

 

つまり、

療育を受けるためには、

療育手帳は必要ないが、「医師の意見書または診断書」が必要である

ということがいえます。

 

 

以上の療育を受けるまでの流れをみてもらえばわかるように、

申請、相談、書類をそろえる…

 

たくさんの工程がありますので、

療育が必要と思ってから、実際に療育を受けるまでの期間はかなりかかります!

 

療育を受けさせたいと思っている場合は、早めの行動が必要になってきます。

「うちの子、療育を受けた方がいいのかな。」と悩んでいるあなたは、まず近くの福祉相談窓口に相談しましょう。

 

 

利用料金

受給者証を取得することで、国と自治体から利用料の9割が給付され、一割の自己負担で療育が受けられます。(児童福祉法に基づいた、障害児施設給付制度)

月ごとの利用者負担額には上限があり、その上限額を超えて自己負担をすることはありません。その上限額は前年度の所得によって4つの区分があります。

 

所得区分 負担上限額 所得区分の認定方法
生活保護 0円 生活保護世帯
低所得 0円 市町村民税非課税世帯
一般1 4,600円 前年度の年間所得がおおむね890万円以下の世帯
一般2 37,200円 前年度の年間所得がおおむね890万円を超える世帯

 

また、市区町村によっては減免措置もありますので、問い合わせてみて下さい。

 

 

療育ってどんなトレーニングをするの?アナログゲーム療育とは?

 

療育では、どんなトレーニングをするのでしょうか?

ひとりひとりに対して、必要な援助が異なってくるので、内容は様々です。

また、施設によって特徴のある支援を行っていることもあります。

 

障害のある子どもが社会的に自立し、日常生活を円滑に行うためになされているトレーニングの一部をご紹介します。

加えて、個別療育と集団療育の違いについても説明していきます。

 

ぺアレントトレーニング

親が子供の行動変容における心理やパターンを理解・分析し、問題行動を適切な対応で減少することのできる技術を獲得することを目的としています。

 

応用行動分析学(ABA)

スキナー(アメリカの心理学者)をはじめとする行動主義の考えから生まれたものです。 人間の行動は学習によって獲得されたものであり、不適応な行動は誤った学習の結果として起こるという考え方に基づいています。

自閉症など発達障害児に対して用いられます。

 

ソーシャルスキルトレーニング(SST)

学校や幼稚園、友達関係など(社会生活)での困りごとを中心に、自立したコミュニケーション法と社会性を身に付けていきます。

 

TEACCHプログラム

Treatment and Education of Autistic and related Communication-handicapped Children(自閉症及び関連するコミュニケーション障害をもつ子どもたちのための治療と教育)

アメリカ・ノースカロライナ州立大学を基盤に実践されている、自閉症の方やその家族、支援者を対象にした包括的なプログラム。自閉症の方の「自立とQOL(生活の質)向上」を目的にしています。

 

PECS

PECS(Picture Exchange Communication System)とは、絵カードを用いたコミュニケーション方法です。自閉症や、その他さまざまなコミュニケーション障害のある人が、自発的なコミュニケーションを身につけるための学習方法です。

 

アナログゲーム療育

最近注目されているのが、このアナログゲーム療育です。

カードゲームやボードゲームを使ってコミュニケーションを学ぶ方法で、アナログゲーム療育アドバイザーの松本太一さんが普及・啓発活動を行っています。

 

どんなゲームでも切り口次第で療育に使える。

ルールを守りあうことが、ゲームを上手にプレイすることと同じくらい、コミュニケーションを練習するきっかけになるのです。

(引用元:電ファミニコゲーマー

 

アナログゲーム療育は、子どもだけでなく、大人の就労訓練にも応用ができ、デイサービスや就労移行支援施設などでも導入されています。

 

個別療育と集団療育

療育には大きく分けて、個別療育と集団療育があります。

 

個別療育

マンツーマンで、大人と行う療育。

その子に合わせた内容の療育(ABA、TEACCH、PECSなど)が行え、苦手なことを底上げしたり、得意な部分を伸ばすことができる。一方、子ども同士の関わり、真似をして覚えるといったことは学ぶことができない。

 

集団療育

複数の子ども(だいたい5人以上)の中で行う療育。

ゲームなどで他の子どもと関わりながら、ルールやコミュニケーションを学ぶ。

まだ子ども同士のやりとりが苦手であったり、過敏な子どもには刺激が強すぎる場合がある。

 

 

「個別療育と集団療育、どちらがいいか」という問いに答えはありません。

どちらを選ぶかは、子どもの状況によります。

個別療育と、集団療育の中間、「小集団」の療育(2~3人の子ども)を行っている施設もあります。

子どもの特性を理解して、選択していくようにしましょう。

 

 

療育は効果がある?早期療育を受けると大人になったときどうなるの?

 

療育に効果はある?

療育を受ける親側からすると、効果があると信じるから療育に通います。

けれど、「療育を受けて、みるみる子どもが変わった!」という意見は少数派です…。

 

療育は今できないことを、すぐにできるようにする「魔法の教室」ではありません。

指導者や専門家が子どもの様子をみて、子どもに手助けしたり声掛けをしながら、苦手なことを克服したり、得意な部分を伸ばしていきます。

 

もちろん、その子の受ける療育のプログラムの内容や、時間、頻度、指導者によっても、効果の出方は変わってきますが、子どもに合った環境やプログラムを整えてあげれば、子どもは情緒的にも安定します。

そうすると、子どものやる気を引き出すことができ、子どもは伸びていきます。

 

そういえば、できるようになってきた

長い目で見ると通ってよかったかな

 

こんな、感想を持つお母さんが多いようです。

すぐにはできなくても、時間をかけてゆっくりできるようになってくる、というのが発達障害の子の傾向でもあるので、焦らず気長に見守りたいです。

 

 

早期療育を受けると大人になるとどうなるのか

発達障害を早期発見し、早期療育を受けると、大人になった時の症状が軽くなるか。

これについては、信州大学医学部こどものこころの発達医学教室教授である本田秀夫先生がこう話しています。

 

そもそも早期に発見される子の方が、大人になった時の障害は重いのですよ。

なぜなら、症状が重い子の方が早く発見されるから。

症状が軽くて、知的障害がない発達障害の場合は、就学児健診でもわからないことも多いのです。

ですから、早く発見された人ほど良くなるというのは正確ではありません

 

だからといって、早期療育に意味がないということではありません。

早期療育を受けることによって、親が認識を変えるのが早くなるのです。

 

早期に親御さんがわが子の特性を知れば、対処法を学ぶこともできます。

例えば、たびたびパニックを起こすようなお子さんだと、親御さんは疲弊してしまいますよね。でも、これを防ぐのは意外と簡単で、パニックを起こしたくなるような刺激を与えなければいいのです。

 

例えば、子どもが好きなことをやっている最中に止めさせようとするとパニックを起こすということがわかれば、大好きなことはある程度切りのよいところまでやらせて次の活動に切り替えさせればよいわけです。

 

知っていれば未然に防げるけれど、知らないと結局、親子ともども嫌な思いを重ねることになってしまいます。

(引用元:ウーマンエキサイト

 

 

つまり、

早期療育を受けることで、親の認識を早期に変えて子どもに接することができ、親は子どもの自己肯定感を下げずに、成長を後押しできる。

 

そして、子どもは心を安定させて生活ができ、得意な部分を伸ばしながら、大人になっていくことができる。

という事です。

 

子どもが自己肯定感を高めながら成長すれば、ストレスによる二次障害(障害そのもの以外のことから起きる問題)を防ぐこともできるでしょう。

 

 

まとめ

 

子どもの発達に疑問を持った時、親は「なんとかしたい!」と思います。

そんな親が希望を抱くのが「療育」でしょう。

療育で、適切なトレーニングを受ければ、少しずつ子どもの「できない」が「できる」に変わってきます。

 

けれど療育とは、『子どもが、社会的に自立できるように、医療や教育機関が連携して、必要なトレーニングを行っていくこと。』です。

発達障害を治す、‘魔法’ではありません

「すぐに何とかしたい」と焦ることは禁物です。

 

子どもに合った環境やプログラムを整えてあげれば、子どもは情緒的にも安定して、やる気が出て、伸びていくわけです。

なので、あなたが子どものことを思うばかりに、療育や習い事でスケジュールをいっぱいにして、子どもにストレスを与えてしまっていては、本末転倒です。

本当に今受けている療育が子どもに合っているかを担当者と協議したり、療育を受ける時間の増減を、子どもも含めて家族で相談する時間も持ちたいです。

 

また、「療育は、育てる親の認識を変えるため」という一面があることもよく覚えていてほしいです。

療育を受けるまでに時間がまだある場合、「ただ待つだけで、何もできない。」なんて思わないでください。

あなたのできることはたくさんあります!

まずは、無料メール講座「育児の灯台」に参加して、子どもへの対応や発達障害のことを一緒に学んでいきましょう。