発達障害を認めない親は迷惑?見過ごされた子どもの気持ちとは?

こんにちは。

低年齢の子どもをもつお母さんに寄り添う、ママさんエスコーターの高橋美穂です。

 

今回は、

子どもが発達障害かもしれない…

と悩んでいるあなたに向けた内容になっています。

 

もし、あなたが子どもを検査に連れて行くのを迷っているのだとしたら…。

 

・親が発達障害を認めないことに対して、同級生やその保護者は迷惑に感じる

 

・先生がどれだけ助言しても強制する力はないので、親の行動が大切!

 

・子どもの発達障害を認めない理由は、主に発達障害の知識がないから

 

・親に発達障害を見過ごされてきた子どもは、社会に出てから苦労することが多く、二次障害が出やすい

 

・大人になって発達障害と診断された人の中には、早く適切な対応をして欲しかったと言う人が多い

 

こんなことを詳しく解説しています。

これらを知れば、あなたの対応、行動によって、子どもの将来は大きく変わるということがわかってくるでしょう。

 

ママさんエスコーター

さあ、あなたは子どものためにどうしたらいいと思いますか?

 

子どもの発達障害を認めない親は周りにとって迷惑?

幼稚園や小学校の先生は、子どもを集団の中で見ています。

そうすると、先生は子どもの「あれ?」という行動に気づきます。

・集団行動がとれない。

 

・友達との関わりがうまくできず、いつもトラブルがある

 

・言葉が遅い

など、家庭では気づかないこと、いや気づけないことを先生たちは気づいてくれます

 

幼稚園でのトラブル

 

 

A君は、幼稚園で事あるごとに友達とケンカになってしまいます。

・滑り台の順番をどうしても待てない。

 

・鬼ごっこをしていても、「鬼になりたくない!」と言って、遊びのルールを守れない。

 

・交代で使うはずの三輪車を、交代できない。

 

A君が使いはじめると、他の子はいつまでたっても使えません。

 

その上、誰かに「代わってよ!ずるいよ!」なんて言われたら、すぐに手がでてしまいます。

 

何度、先生たちがA君に説明しても、一向にA君の様子は変わりません。

 

先生はそんな様子を、お母さんに伝えます。

幼稚園の先生

A君のために、一度検査に行かれたらどうでしょうか?

けれど、A君のお母さんは

子どもなんて、そういうもんでしょ!男の子だから!

お母さん

と先生の意見をはねのけます。

 

周りの保護者は、子どもの行動に対して怒っているのではない

手を出された子どもの保護者、そして周りの保護者は、こんなことを気にしています。

 

A君の親は、このことを知っているの?

 

このまま何もしないなら、またうちの子がケガをさせられてしまう…。

 

先生に指摘されているのに、無視するの⁈

 

つまり、A君の行動よりも、A君の親が支援への一歩を踏み出さない事に苛立つのです。

 

親が何もしなければ、A君は変わりようがないから、また何か問題が起きる。

そうなることが迷惑!と感じてしまいます。

 

幼稚園の先生

親が動かなければそれ以上のことはできませんし、

逆に助言したことで

「うちの子を発達障害扱いした!」

などのクレームを言う保護者もいるので、強くは言えない現状があります。

子どもの発達障害を認めない理由は?

幼稚園や小学校で、毎日の子どもの様子をみている先生から

「検査をうけてみてはどうですか?」

と指摘されて、それを素直に受け入れないのはなぜでしょう?

 

やはり親が、発達障害への理解ができていないということが大きいでしょう。

 

「発達障害」という言葉だけが1人歩きしている

発達障害は、早期に対応していけば子どもの行動は変わっていきますので、トラブルも減ってきます

幼稚園を卒園した後も、小学校以降の生活をスムーズに進めていく可能性が高まります。

だからまずは、子どもにあった支援を受けることが大切なのです。

けれど、それを理解していなければ、『発達障害』という名前、「障害」という言葉に驚いてしまいます。

 

発達検査を受けると、検査の結果次第では、発達障害もしくはその傾向があると言われるかもしれません。

つまり自分の子が「発達障害だ」と言われる可能性が出てきます。

それが怖いという場合があります。

 

本当は勘づいていながらも、拒否したくなるお母さんの厳しい状況

自分の子の発達障害を受け入れる。これをすんなりできる人は、なかなかいません。

誰しも時間がかかりますし、抵抗があります。

それに加えて、お母さんの置かれている状況も関係するでしょう。

 

実は、お母さんはすでに

「育てにくいな」

「ちょっと変わっているな」

と思っているもかもしれません。

けれど、もし子どもが『発達障害』であったら、夫や義両親に自分の育て方を否定され、責められるかもしれない、という状況にあるお母さんもいます。

周りの協力や理解を得られない子育てをしているお母さんは、とても肩身の狭い思いをしています。

もし子どもが発達障害であったりしたら、また自分が責められてしまいます…。

だから、検査なんてものは受けたくないし、

先生に勧められても感情的に拒否し、「自分の子は普通だ!」と思ってしまうのです。

 

ママさんエスコーター

こういった場合、まずはお母さんの置かれている状況の改善が先になりますね。

 

必要な支援を受けずに成長した子どもの気持ち。そして二次障害とは?

親が検査や医療機関の受診を拒否しても、何ら法的に罰せられることはありませんし、幼稚園や小学校の先生も、親に対して強制力は持っていません。

だから、何の療育も受けずに就学まで過ごすこともできますし、小学校の入学の際には普通級に進級できることもあります。

困るのは、親ではない

そういった場合、一番困るのは子ども本人です。

・いつも友達とトラブルを起こす。

・先生の話をしっかり聞けず、忘れ物ばかりする。

 

そんな生活が続けば、

「ちゃんとしなさい!」

 

「何でできないの!」

 

「いつも、そんなことばっかりして!」

先生からも、友達からも否定的な言葉が浴びせられます。

 

特に学年が上がって、勉強の面での困りごとがある子は

「こんなこともできないの?」

 

「こんなの、〇年生の内容だよ。」

と言われて、どんどん自信を失っていきます

 

勉強が嫌いになる。友達と過ごすのがイヤになって、1人でいるようになる。

学校に行きたくなくなる。

そんな気持ちになっていき、学習意欲がなくなり、不登校になってしまうこともあります。

 

否定的な言葉により、自己肯定感を低くしてしまう

また、この頃に受けた否定的な言葉がずっと心に残り、いつまでの自信をもてない、自己肯定感の低い人格を形成してしまう場合もあります。

こうした、本来の発達障害の症状や特性以外の問題、二次障害が出る可能性はかなり高いです。

小さい頃に検査や診断を受けることなく成長し、社会生活が困難なことから、大人になってから自分で検査を受けに行く人もいます。

 

幼い頃に対応してもらえず、大人になって初めて診断を受けたSさん

Sさんは、20歳を過ぎてから自分で医療機関を受診し、発達障害の診断を受けました。

【よくしゃべる子としての幼少期】

Sさんは小さい頃から、よくしゃべる子でした。

よくしゃべるというより、人の話を聞かず、常に自分のことばかり話していました。

友達や先生との会話が、かみあわないこともあったようです

幼稚園でも、先生から少し指摘がありましたが、Sさんの母親は「女の子だから口が達者なんだ」と思い、特に何もしませんでした。

【友達の会話についていけない思春期】

Sさんは、そのまま小学校の普通級に進みましたが、高学年になって女の子同士の会話についていけなくなりました。

「みんなが順番に話していく」

 

「相手の話を関連付けて話す」

という暗黙のルールがわからなかったのです。

Sさんが話し出すと、みんな離れていきます。

そこでSさんは「黙っていよう」と考えました。

中学、高校と、親しい友達は作らず、教室でも静かに本を読んで過ごすようにしました。

 

【特性が再び表に出た青年期】

そして、Sさんは就職しました。

優しい先輩や上司が話しかけてくれます。

そこで、Sさんの特性が出ます。

自分のことばかり一方的に話す特性は、小さい頃のままだったのです。

はじめは会社のみんなも多めに見ていましたが、やはりSさんと話をするのがしんどいと思う人が増えてきました。

Sさんが話し出すと、みんながイヤな顔をします。

学生の頃と同じです。

周りからどんどん距離をとられるようになりました。居場所がないと感じたSさんは、結局退職することになってしまいました。

【自ら受診し、診断を受ける】

その後、Sさんは、『発達障害』という言葉を知り、自分で医療機関を受診しました。

自閉症スペクトラムという診断が下りたSさんは言います。

Sさん

小さい頃に母親が気づいていたのなら、早くに支援を受けたかった。

トレーニング等で会話の練習ができるなら、しておきたかった。

もし、私が療育などを受けていたら、友達を作ったり、楽しく働いたりできたのかもしれない…。

 

こんな風に大人になってから、

「もっと早く知りたかった!」

 

「普通に合わせるためにだけ生きてきた。」

 

「生きづらさは、このせいだったのか!」

と気づく人は、実は多くいるのです。

発達障害の検査や診断を受けることよりも、困りごとをなくすことが大切

どんな親でも子どもの事が心配です。

「障害」という診断名をつけたい親はいません。

けれど、『診断名をつけること』が、検査を受けることや医療機関を受診する本当の目的ではありません。

検査や診断を受けることがゴールではない

検査や診断を受けると、どうなるのでしょう?

 

①本人の特性を知ることができる

どんなことが得意で、どんなことが不得意かを知る。

これはとても大切な事で、幼稚園何か困りごとやトラブルが起きているなら、その原因を明らかにしていくことができます。

周りや本人がどんな工夫をしたら、その困りごとをなくすことができるのか、解決策に向けて進んでいくことができます。

 

②診断があるので、公的な支援、療育などの申請がスムーズになる

診断を受けて障害者手帳(療育手帳)が交付されれば、経済的な支援を受けることもできます。

 

例えば前述のSさんの場合なら、幼稚園の先生が指摘してくれた時に、検査を受けていれば、Sさんの親は、早くに特性を理解できていたかもしれません。

そしてSさんを医療機関に連れて行き、診断を受けるなどしていれば、Sさんは療育を受け、話し方を小さい頃に学ぶことができたかもしれません。

「何となく」がわからなくても、トレーニングで話し方を身につけられたかもしれません。

そうすれば、Sさんはたくさんの友達と楽しく学生時代を過ごせたかもしれませんし、就職してから、退職を余儀なくされる状況にならなかったかもしれませんよね。

 

ポイント

「発達障害」という言葉よりも、

今の困りごとをなくす

大人になったときに社会に適応できるようにする

ということに焦点をあてて、親は行動していくべきです。

ママさんエスコーター

どう行動していくべきかは、無料メール講座「育児の灯台」でお伝えしています!

まとめ

先生から発達障害の検査を勧められても、拒否する親は存在します。

自分の子が発達障害であることを、すんなり受け入れられる親はいません。

けれど、特性があると言われたり、発達障害と診断されることは、その子の人格を否定する事ではありません

もちろん、親が否定されることでもありません

発達障害は、親の育て方のせいではないのですから。

幼少期は親の強引なやり方が通用する

親が「自分の子は普通だ!」と主張し、検査を拒否することはできます。

誰も強制はできません。

そして、程度が軽度でれば、小学校で普通級に進学することもできます。

子どもが小さい間は、幼稚園や学校にフォローされながら生活しているので、多少のトラブルは、先生が対処したり、親同士の話し合いで解決する場合もあります。

 

親が早く対応することで、子どもの将来が救われる

けれど、社会に出ると人間関係は複雑になりますし、相手の表情をくみ取ったり、忖度(そんたく)が必要になる場面もあります。

特性をもった人が、自分の特性を理解せずに大人になると、社会に適応できず、「生きづらさ」を感じるようになります。

退職せざるを得なくなり、仕事を継続することができなければ、一気に経済的にも困窮します。

大人になって初めて「発達障害」を知り、検査や診断を受け、トレーニングを受ける人も多くいます。

 

何歳からでもトレーニングを受けて、社会に適応していくことはできますが、小さい頃受けた否定的な言葉による心の傷は残り続けます。

また、発達障害の人は、「自分を変えられたくない」という特徴を持つ場合が多いです。

年齢を重ねるほど、その程度は強くなってきますので、若い頃にトレーニングを受けた方が、効果が出やすいと言われています。

もし、あなたが検査を勧められているのなら、子どもの将来のためにぜひ受けてほしいと思います。

得意な事、不得意な事がわかって損する事はありませんし、悪いことは何も起きません。

 

「正体のわからない怖さ」を感じているあなたは…

でも、やっぱり何だか怖い…。

そんなあなたは、発達障害についての知識を深めましょう。

そうすれば、今の恐怖心は少しずつ小さくなってきます。

今のあなたは、知らないことが多すぎます!

だから怖いという思いが大きいのです。

たくさん学び、相談し、支援のネットワークを広げていきましょう。

こちらの内容も、ぜひ読んでみて下さい!

子どもが発達障害かもしれない。相談先はどこ?療育より家庭での取り組みが大切な理由。 子どもが発達障害かもしれない。相談先はどこ?療育より家庭での取り組みが大切な理由。

1人でがんばるのではなく、助けてくれる人を増やしてみんなで問題を解決していくのです。

…そんな人いない?

いや、少なくとも私ひとりはいます!

ママさんエスコーター

私がお手伝いします!

これから一緒にがんばっていきましょう。